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オシエク(クロアチア)ワールドカップ


オシエクワールドカップに出場してきた。

 羽田から10時間飛行に乗り、ドーハで6時間待ち、ザグレブまで6時間飛行機に乗り、オシエクまでバスに揺られること4時間。日本から24時間以上の移動だった。なにしろ、乗り物に乗っているときは移動できないのが非常につらい。この辛さは予想以上であった。が、飛行機内ではCAが常に気を使てくれ、安心して機内を過ごすことができた。

 種目のスケージュールは大会によって異なる。今大会の私の出番は着いて5日目と決まった。それは中日であり、早くもなく、遅くもなくベストのタイミングだ。

 着いて早々に会場の下見が始まる。これは非常に重要なことで、雰囲気に慣れることが、目的の一つでもある。次の日は銃の検査、その後練習。次の日から試合が始まる。

 試合前日もぐっすり眠ることができ、体調は万全だ。今までの大会では、褥瘡ができたり、腹が下ったりとなにかしら問題がおこっていたが、何事もないことに胸をなでおろしての試合当日となった。

 前大会は担当コーチと些細ないさかいがあり、急遽、コーチが変わるというアクシデントがあったが、その後わだかまりは取れ、安心して担当コーチと試合に臨めた。このコーチの存在は大きく、試合前の私のこわばった顔を笑いというマジックで見事に解きほぐしてくれた。このことでスムーズに射場に入ることができ、感謝している。

 私の課題は過緊張である。これに対しての対策をいくつも用意していた。その一つに呼吸に集中するというのがあった。本番(本射)に入る前に、用意15分、練習15分と30分時間がある。その時間にとにかく呼吸に集中した。そのせいか余裕をもって本射を迎えることができた。

 本射に入り、順調に撃ち進んでいく。練習通り、全く問題ない。呼吸に集中。しかし、そう簡単にはいかなかった。18発目。打つ瞬間、隣の射座のコーチが視野に入る。撃つ。9.8点。不本意な点数だ。その時は気にしないようにしていたのだが、結局終わってみればそれが尾を引いたように思える。反省はそこだけだ。それがなければ、ほぼ今自分が出せる実力はだせた。たったその一発が大きく勝敗をわけた。630.4点で49人中11位。これは私の国際試合の過去最高得点であり、最高順位だ。8位にはいれば、ファイナルに残り、もう一度試合ができる。もう少しで、というところだっただけに悔いの残る試合になった。しかし、得たものは大きく過緊張も克服しつつあることを考えると、先頭集団の背中が見えたといっても過言でないだろう。 次は10月にシドニーで行われる世界選手権。今まで通り、練習を続けていく。


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